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内覧の前にできることは、全部やったつもりでした。それでも実際に売れ行きを決めたのは、清掃でも設備交換でもない、まったく別の要因でした。現役大家(宅建試験合格者)として複数の物件を運用する中で、自宅として住んでいたマンションを手放そうとしたときに実際にやったこと、やったのに手応えが薄かったこと、そして本当に効いた要因を振り返ります。

内覧前に実際にやったこと
まず断っておくと、間取りによって内覧で見られるポイントは変わります。ここでは間取りを問わず共通する、内覧準備のプロセスに絞って解説します。
水回りを友人と2人がかりで徹底的に掃除する
自分ひとりでどれだけ掃除しても、水回りの黒ずみや網戸のホコリまでは手が回りきりません。友人に手伝ってもらい、2人がかりでキッチン・浴室・洗面台を中心に徹底的に掃除したところ、案内を担当してくれた不動産会社の担当者から「見学者の間で『水回りがきれいですね』という声が多かった」と報告を受けました。内覧に来た人が最初に目にする「清潔感」を確実に底上げできた実感があります。
床を自分で水拭き・ワックスがけする
フローリングの艶が失われていると、部屋全体が古く見えてしまいます。これも自分で水拭きをして汚れを落としたあと、ワックスをかけ直しました。自分の目には、同じ照明でも部屋が明るくなったように見えました。
窓枠のペンキを自分で塗り直す

築年数が経つと、アルミサッシの枠や木部の塗装は思った以上に劣化が目立ちます。ここは業者に頼まず、休日を使って自分で塗り直しました。見た目には、塗り直す前より明らかに手入れが行き届いて見えました。
清掃・ペンキ・ワックス、この3つをまとめた部屋全体の印象については、案内担当者自身から「7年も住んでいたとは思えないほど綺麗」という感想を聞けました。見学者本人の反応ではなく担当者個人の感想である点は差し引く必要がありますが、やってよかったと思えた瞬間でした。
引っ越し先が先に決まり、結果的に空室のまま売り出す
実は、空室にしたのは売却のための演出ではありません。単純に次の住まいがすでに決まっていて、そちらへ先に引っ越しただけでした。結果として、家具や生活感のない状態で売り出すことになり、部屋の広さや採光はそのまま感じてもらえていたはずです。清掃・ペンキ・床の手入れ・空室化、この4つが揃った状態でしたが、内覧に毎回立ち会っていたわけではないため、実際にどこまで見学者に響いたかは同じ温度では言い切れません。担当者から見学者の反応として具体的に報告があったのは、水回りの清掃と、部屋全体の「きれいさ」についてでした。
収納力や子ども部屋の使い方など間取り固有のチェックポイントは、2LDK売却ガイドや3LDK売却ガイドで間取り別に扱っているので、間取りが分かっている方はあわせて確認してください。
費用をかけたのに、内覧で指摘すらされなかったこと
洗面台の三面鏡は、3枚のうち1枚だけ、裏側(銀引き)の経年劣化による黒ずみが目立っていました。気になったその1枚を、約2万円をかけて交換しましたが、この費用が価格や成約スピードに反映された実感はありません。鏡裏の劣化は経年劣化として買主にも許容されやすいようで、内覧で指摘されたことも一度もありませんでした。完全な無駄ではなく自分自身は気持ちよく過ごせましたが、価格には響かない支出だったというのが率直な感想です。
一番の失敗は「価格設定」だった
準備をどれだけ整えても、最終的に売れ行きを左右したのは価格でした。売り出し当初は強気の価格でスタートしましたが、内覧の申し込みそのものが伸びず、反応は鈍いものでした。
その後、6〜7%ほど価格を見直したところ、それまでとは明らかに違う数の問い合わせが入るようになりました。値下げ前も内覧が全くなかったわけではありませんが、値下げ後は組数がさらに増えています。清掃や設備交換にどれだけ手をかけても、価格が相場から外れていれば、そもそも内覧の入り口に立ってもらえない。この経験から、内覧の準備よりも先に、適正な価格を把握しておくことの方が重要だったと痛感しました。
内覧で実際に見られていたポイント
内覧には毎回立ち会ったわけではなく、案内は不動産会社の担当者に任せていました。それでも、値下げ前後を通じて担当者から報告される見学者の反応には、こちらが準備した部分への評価もあった一方で、部屋そのものの条件に関する声が目立ちました。
- 「全体的にきれいですね」という声。清掃・ペンキ・ワックスをまとめて評価してもらいました。
- 「タワーマンションと比べて天井が低い」という声。武蔵小杉はタワーマンションが多いエリアのため、天井高を比較対象にされることが何度かありました。
- 管理費・修繕積立金などランニングコストへの質問。月々の負担感を具体的な数字で確認したいという方が多くいました。
- 眺望・日当たりについては高い評価をいただくことが多く、報告された反応の中でも良かったポイントでした。
- 「気に入ったが、予算を少しオーバーしている」という声。
中でも大きかったのが、値下げ後の内覧で前向きな返事をくれた一組との契約です。話が具体的に進んでいたのですが、住宅ローンの審査が通らず、契約直前で白紙に戻ってしまいました。振り返ってみると、内覧の準備でどうにかなる要因はごく一部で、天井高や予算、ローン審査といった、こちらでは動かせない要因の方が結果を大きく左右していました。買う側が内見の場で実際にどこを見ているのかは、自分が買主として7件を回ったときの記録を売れる部屋と売れない部屋の差にまとめています。
結局、空室のまま売り出してから半年以上、個人の買主は決まりませんでした。なぜ売れなかったのかを価格・時期・競合・物件条件・営業活動の5つの軸で振り返った内容は武蔵小杉 中古マンションが売れないにまとめています。このローン審査落ちをきっかけに、売却と並行して賃貸の募集も始めてみたところ、思いのほか早く入居者が決まりました。入居者がいる状態のまま部屋を保有し、その状態のまま売却する道を選びました。実際にオーナーチェンジ物件として売却した際の決済費用の内訳はオーナーチェンジ物件を売った費用の実額にまとめています。
小杉恵のひとこと
値下げ後に問い合わせが増えて「これは決まるな」と思った矢先の破談だったので、正直こたえました。ただ、今振り返ると、あの破談がなければ賃貸に出すという発想自体が浮かばなかったと思います。空室のまま売ることにこだわり続けていたら、もっと長く売れない期間を抱えていたかもしれません。準備をどれだけ整えても、買う側の事情(予算やローン審査)まではコントロールできません。だからこそ、準備に力を入れる前に、まず適正な価格を把握しておくことが一番大事だと感じています。

よくある質問
Q. 内覧前にリフォームすべきですか?
A. 大掛かりなリフォームは費用対効果が見合わないことが多いです。私の場合も、三面鏡の交換のように部分的な設備更新は、費用ほど価格に反映された実感がありませんでした。まずは清掃と最低限の補修で様子を見て、査定額や内覧時の反応を見てから追加の手を打つかどうか判断するのがおすすめです。
Q. 空室と居住中、どちらが売りやすいですか?
A. 状況によって変わります。私の場合は、売却のために空室を選んだわけではなく、次の住まいが先に決まっていたので結果的に空室のまま売り出す形になりました。それが実際に評価されたかどうかは、内覧に立ち会っていないので分かりません。入居者がいる状態のまま売る「オーナーチェンジ」という選択肢もあります。空室にできない事情がある場合の考え方はオーナーチェンジ物件の売却相場で解説しています。
Q. 適正な売り出し価格はどうやって調べればいいですか?
A. 複数社に査定を依頼して比較するのが基本ですが、大まかな相場観を先に持っておくと、査定額が妥当かどうかを自分でも判断しやすくなります。武蔵小杉の相場データは武蔵小杉のマンション相場を最新データで解説にまとめています。
Q. 三面鏡のような設備は交換した方がいいですか?
A. 経年劣化がひどく生活に支障が出ているなら別ですが、見た目の劣化だけであれば、私の経験では価格への影響は限定的でした。交換費用をかける前に、まずは査定担当者に「このままで問題ないか」を確認してから判断することをおすすめします。
まとめ
ペンキの塗り直しやワックスがけが個別にどう評価されたかまでは分かりませんが、部屋全体の印象については見学者からも担当者自身からも好意的な声をもらえました。清掃・ペンキ・ワックスにかけた手間は、無駄ではなかったと思います。三面鏡の交換のように、費用をかけても手応えがなかった支出もありました。
それでも最終的に売れ行きを左右したのは準備そのものではなく価格設定で、空室のまま売り出してから半年以上、個人の買主が決まらないまま賃貸に切り替えることになりました。内覧に来た方が気にしていたのも天井高やランニングコスト、予算やローン審査といった、準備では動かせない要因が大半でした。
売却全体の流れは武蔵小杉でマンションを売却する完全ガイドにまとめているので、初めて売却を検討する方はあわせて見てください。内覧の準備に力を入れる前に、まずは適正な価格を把握しておくことが、遠回りに見えて一番の近道だったと思います。

