武蔵小杉のマンション売却にかかるお金全体像|費用・税金・手取り額

マンション売却の売却価格から諸費用(仲介手数料・印紙税・抵当権抹消費用)と税金(譲渡所得税)を差し引いて手取り額が決まる流れを示した図 不動産売却ガイド
小杉恵

小杉 恵(現役大家・宅建試験合格者)
武蔵小杉・川崎市・東京都内で実際に不動産の売買・賃貸経営をしながら、実体験に基づいた情報を発信しています。

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マンション売却でまず気になるのは「いくらで売れるか」ですが、実際に手元に残る金額を左右するのは「いくら手数料・税金を払うか」の方です。売却価格だけを見て資金計画を立てると、想定より手取りが少なく後悔することになりかねません。本記事では、武蔵小杉でマンションを売却する際にかかる費用・税金を1つの記事にまとめ、手取り額をどう考えればよいかを解説します。売却の基本的な流れ・相場は武蔵小杉でマンションを売却する完全ガイドで解説しています。

売却価格から諸費用・税金を差し引いて手取り額が決まる流れの図
売却価格から諸費用・税金を差し引いたものが手取り額になる

売却にかかるお金は大きく2種類

マンション売却でかかるお金は、大きく「諸費用」と「税金」の2つに分けられます。諸費用は仲介手数料を中心に、売却が成立すれば基本的に発生するもの。税金は売却によって利益(譲渡所得)が出た場合にのみかかるもので、利益が出なければ課税されません。この2つを分けて考えると、全体像が把握しやすくなります。

仲介手数料の仕組みと金額イメージ

不動産会社に仲介を依頼して売却する場合、成約時に仲介手数料が発生します。宅地建物取引業法で上限が定められており、次の速算式で計算できます(400万円を超える取引の場合)。

仲介手数料の上限 = 売却価格 × 3% + 6万円(税別)

この金額はあくまで法律上の上限であり、実際の手数料は不動産会社との合意によって決まります。価格帯別に計算すると、以下のようなイメージになります(消費税10%込み)。

売却価格 仲介手数料(税込・上限額の目安)
3,000万円 約106万円
5,000万円 約172万円
8,000万円 約271万円
1億円 約337万円

武蔵小杉はタワーマンションを中心に売却価格が高くなりやすいエリアのため、仲介手数料の絶対額も他エリアより大きくなりがちです。管理費・修繕積立金を含めたタワーマンション特有の事情は武蔵小杉のタワマン売却ガイドで詳しく解説しています。「上限額」である点を踏まえたうえで、複数社に相談しながら実際の条件を比較するのが現実的です。

仲介手数料以外にかかる諸費用

仲介手数料以外にも、以下のような諸費用がかかります。

印紙税

不動産売買契約書には印紙税がかかります。令和9年(2027年)3月31日までに作成される契約書には軽減税率が適用されており、契約金額に応じて以下のようになります(国税庁タックスアンサーより)。

契約金額 印紙税額(軽減後)
1,000万円超〜5,000万円以下 10,000円
5,000万円超〜1億円以下 30,000円
1億円超〜5億円以下 60,000円

武蔵小杉のマンション売却では5,000万円〜1億円のレンジになるケースが多いため、印紙税は3万円前後を見込んでおくのが目安です。なお、この軽減措置には適用期限があるため、売却時期が近づいたら最新の情報を再確認しておくのが無難です。

抵当権抹消費用

住宅ローンが残っている場合、売却と同時に抵当権を抹消する必要があります。登録免許税は不動産1個につき1,000円が原則で、区分マンションは土地・建物で通常2個分(2,000円程度)かかります(敷地権が複数筆に分かれている場合は、その筆数に応じて金額が増えることがあります)。手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、報酬と合わせた目安は1〜2万円程度です。

注意したいのは、住宅ローンをすでに完済している場合でも、抵当権の抹消登記は自動では行われないという点です。完済後に抹消手続きをしていないと、登記簿上は抵当権が残ったままになっており、売却時に発覚して慌てて司法書士へ依頼することになりがちです。

その他の費用

居住中に売却する場合は引越し費用が実費でかかるほか、内覧時の印象を上げるためにハウスクリーニング(3〜10万円程度)を依頼するケースもあります。いずれも必須ではありませんが、資金計画にはあらかじめ織り込んでおいてください。

売却益にかかる税金(譲渡所得税)の仕組み

マンションを売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して税金がかかります。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

「取得費」は購入代金・購入時の仲介手数料・登記費用などの合計から、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額です。特に建物部分は所有期間が長いほど減価償却が進み、取得費が目減りしていきます。「買ったときより安く売ったのに税金がかかった」というケースの多くは、この取得費の目減りが原因です。購入時の契約書類が残っておらず取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」という方法もあります(実額が売却価格の5%を下回る場合も、概算取得費を選べます)。

「譲渡費用」には、ここまで解説した仲介手数料や、売主が負担した印紙税なども含まれます。つまり、諸費用として支払った金額の一部は、税金の計算上マイナスできるということです。

所有期間5年を境に税率が大きく変わる

譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって次のように変わります。

所有期間 税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
5年以下(短期譲渡所得) 39.63%
5年超(長期譲渡所得) 20.315%

この差は約2倍近くあります。「売却した年の1月1日時点」で判定される点に注意が必要で、単純に「購入から5年経ったかどうか」では判定できません。売却を急がないのであれば、5年を超えるタイミングかどうかも判断材料の1つになります。

3,000万円特別控除は「マイホーム」が対象

マイホーム(居住用財産)を売却して利益が出た場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。この特例が使えるかどうかの判定軸は「賃貸に出しているかどうか」ではなく、「自分が住んでいた家かどうか」「期限内に売っているかどうか」です。具体的には「現に自分が住んでいる家屋」または「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する家屋」が対象になります。そのため、住み替えなどで転居後に一時的に賃貸へ出していた場合でも、この期限内の売却であれば対象になり得ます。一方、最初から投資目的で購入し、自分が住んだことのない物件は原則として対象外です。投資用物件の税金の考え方はオーナーチェンジ物件の売却相場で詳しく解説しています。

譲渡所得から控除額を差し引いて手取り額が決まる流れの図
3,000万円特別控除で課税譲渡所得を抑え、住宅ローン残債を差し引いた分が手取り額になる

なお、所有期間が10年を超えるマイホームには「軽減税率の特例」もあり、課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分は税率が14.21%まで下がります(3,000万円特別控除と併用可能です)。一方で、住み替えのタイミング次第では、新居で使いたい住宅ローン控除が使えなくなることがあります(居住を始めた年の前後数年以内にこの3,000万円控除を使うと、新居のローン控除が制限される仕組みです)。住み替えを検討している場合は、どちらが有利か事前に試算しておく必要があります。

自分の物件がマイホームか投資用かによって税負担が大きく変わるため、正確な適用可否・税額は税理士に確認することをおすすめします。

武蔵小杉の実勢価格で手取り額を試算する

ここまでの費用・税金の考え方を踏まえ、武蔵小杉の実勢価格を使って手取り額のイメージを試算してみます。武蔵小杉のマンション相場を最新データで解説で確認した㎡単価(タワーマンション161万円台〜219万円台/㎡、一般的なマンション69万円台〜127万円程度/㎡、いずれも2026年7月時点のSUUMO掲載価格ベース)をもとに、70㎡のケースで計算します。あくまで条件を仮定した試算であり、実際の金額は自分の取得費・特例の適用可否によって変わります。

ケース1:タワーマンション70㎡が仮に1.2億円で売却できた場合

費用項目 金額の目安
仲介手数料(税込) 約403万円
印紙税 6万円
抵当権抹消費用 1〜2万円程度
諸費用合計 約410〜411万円

ここからさらに税金がかかります。仮に譲渡所得(利益)が3,000万円出たとすると、所有期間5年以下(短期)では約1,189万円、5年超(長期)では約609万円の譲渡所得税がかかる計算です(3,000万円特別控除等の特例が使えない前提の場合)。諸費用(約411万円)と長期譲渡の税金(約609万円)を差し引くと、住宅ローンの残債がなければ手元に残るのは約1.10億円という計算になります。仮に残債が5,000万円あれば、手取りは約5,980万円まで下がります。

ただし、この税額はマイホームの特例が使えない前提のものです。今回のように譲渡所得(利益)がちょうど3,000万円であれば、居住用財産の3,000万円特別控除が使える場合は課税対象の譲渡所得が0円になり、この税金自体がかかりません。その場合、住宅ローンの残債がなければ手取りは諸費用を引いた約1.16億円になります。特例が使えるかどうかで、手取りが600万円以上変わるということです。

ケース2:一般的なマンション70㎡が仮に6,000万円で売却できた場合

費用項目 金額の目安
仲介手数料(税込) 約205万円
印紙税 3万円
抵当権抹消費用 1〜2万円程度
諸費用合計 約209〜210万円

同様に、仮に譲渡所得(利益)が1,500万円出たとすると、短期では約594万円、長期では約305万円の譲渡所得税がかかる計算です。諸費用(約210万円)と長期譲渡の税金(約305万円)を差し引くと、住宅ローンの残債がなければ手元に残るのは約5,485万円です。仮に残債が3,000万円あれば、手取りは約2,485万円まで下がります。こちらも譲渡所得(利益)が1,500万円であれば3,000万円特別控除の範囲内に収まるため、特例が使えれば税金はかからず、手取りは約5,790万円になります。

諸費用は売却価格からほぼ確実に引かれる一方、税金は利益(譲渡所得)が出た場合のみかかり、3,000万円特別控除など特例の適用可否によって大きく変わります。正確な手取り額が気になる方は、査定と合わせて税理士にも相談してみてください。自分の売却価格・購入時期の条件で試算したい場合は、不動産売却の手取り額シミュレーターで概算できます。

住宅ローンが残っている場合の資金の流れ

住宅ローンが残った状態でも、売却代金でローンを完済できれば問題なく売却できます。一般的には、決済日に「買主から受け取る売却代金」を原資として金融機関へ一括返済し、同じタイミングで抵当権抹消の手続きを進めます(司法書士が間に入って同時に進行するのが通例です)。

注意が必要なのは、売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の状態です。この場合は自己資金で不足分を補うか、金融機関に相談して対応方法を検討する必要があります。ローンが残っている場合は、売却活動を始める前に金融機関へ残債を確認しておくと、資金計画で慌てずに済みます。

オーバーローンで売却して損失(譲渡損失)が出た場合は、マイホーム(居住用財産)に限り、その損失を給与所得など他の所得と損益通算し、控除しきれない分は最大3年間繰り越せる特例があります(所有期間が5年を超えていること、償還期間10年以上の住宅ローンが残っていること、売却価格が住宅ローンの残高を下回っていること等の要件があります)。「売っても損をするだけ」という状況でも、税金の面で救済される可能性がある点は知っておくとよいでしょう。ただし投資用物件にはこの特例は使えないため、正確な適用可否は税理士に確認してください。

残債が半分ほど残った状態で実際に売り出した経験や、アンダーローン・オーバーローンの判定方法、失敗しやすい順序は住宅ローン残債ありのマンション売却で詳しく解説しています。

小杉恵のひとこと
私自身、住宅ローンを一括返済したとき、抵当権の抹消登記まではせず、そのままにしていました。「返し終わったのだから、もう関係ない」と思い込んでいたんです。実際に売却の話を進めようとしたところ、登記簿上は抵当権が残ったままだと分かり、慌てて司法書士に依頼することになりました。金額として大きな出費ではありませんが、売却のスケジュールを考えていたタイミングでこの手続きが割り込んでくると、地味にバタつきます。ローンを完済したことがある方は、売却を考え始めた段階で一度登記簿を確認しておくことをおすすめします。

手取り額の起点は、まず売却価格の目安を知ることです。

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よくある質問

Q. 結局、手取り額はどう計算すればいいですか?

A. おおまかには「売却価格 − 仲介手数料 − 印紙税等の諸費用 − 住宅ローン残債 − 譲渡所得税(利益が出た場合のみ)」で概算できます。武蔵小杉の実勢価格を使った試算例は本文の「武蔵小杉の実勢価格で手取り額を試算する」で紹介しています。譲渡所得税の有無・金額は取得費や特例の適用可否によって大きく変わるので、査定を受けたら税理士にも確認しておくと安心です。

Q. 諸費用・税金はいつ、どのタイミングで支払いますか?

A. 仲介手数料は成約時と引き渡し時の2回に分けて支払うのが一般的です(契約内容によります)。印紙税は契約書作成時、登録免許税・司法書士報酬は決済・引き渡し時にかかります。譲渡所得税は売却の翌年に確定申告を行い納付します。

Q. 税額が0円になる場合でも確定申告は必要ですか?

A. 必要です。3,000万円特別控除や軽減税率の特例は、確定申告をすることが適用の要件になっています。「控除を使えば税額が0円になるから申告は不要」と考えて申告を忘れると、特例が適用されず本来かからないはずの税金を請求されるおそれがあります。

Q. 査定を依頼する前に準備しておくことはありますか?

A. 登記簿・管理規約・修繕計画書などの書類を事前に準備しておくと、査定がスムーズに進みます。準備すべき書類の一覧は武蔵小杉の不動産査定はどこがいい?で詳しく解説しています。

まとめ

マンション売却でかかるお金は、仲介手数料を中心とした「諸費用」と、利益が出た場合にかかる「税金」の2種類に分けて考えると全体像がつかみやすくなります。特に譲渡所得税は所有期間や特例の適用可否によって金額が大きく変わるため、早い段階で税理士に相談しておくと、売却後に想定外の負担に慌てずに済みます。まずは一括査定で売却価格の目安を把握するところから始めてみてください。

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この記事を書いた人
小杉恵

現役大家(宅建試験合格者)。武蔵小杉・川崎市・東京都内で投資用不動産(新築アパート・中古マンション・戸建)を自ら運用しながら、実体験に基づいた「分かりやすく正直な」不動産売却情報を発信しています。

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